民法とはー基本原則と物権・債権をわかりやすく解説!

民法とは?

初学の方は、そもそも民法ってなんなの?って方も少なくないと思います。

民法とは、市間のルールを定めた律です。

『私人』や『自然人』という言葉がよくでてきますが、これは私達一般人のことです。

 

民法典は第5部構成となっています。

 

【財産法】

〈第一編 総則〉
財産法全体(民法全体)に共通する事項を定める。

〈第二編 物権〉
物に関する権利等を定める。

〈第三編 債権〉
人に対する請求権等を定める。

 

【家族法】

〈第四編 親族〉
親族関係等を定める。

〈第五編 相続〉
相続関係等を定める。

 

司法書士、行政書士、宅建の合格を目指す方は必修科目ですね。

判例に目を通したことがある方はおわかりだと思いますが、私人間(一般人間)のトラブルについてのルールですので、身近で理解もしやすいと思います。

 

基本原則

公共の福祉による制限

1条1項

 

私権は、公共の福祉に適合しなければならない。

 

これは、個人の権利は社会全体の利益による制限を受けるということです。

 

信義誠実の原則

1条2項

 

権利の行使及び義務の履行は、信義に従い誠実に行わなければならない。

 

これを信義誠実の原則(信義則)と呼びます。

信義則は、法の形式的な適用による不当な結果を是正したり、法に規定がないときにその補充として用いられたりするほか、契約の趣旨を解釈する基準ともなります。

信義則はよく出てくる言葉なので今のうちに覚えておきましょう。

 

権利の濫用

1条3項

 

権利の濫用は、これを許さない。

 

権利の濫用とは、社会性に反し権利行使として認めることができない行為をいいます。

権利の濫用にあたるかどうかは、他人に損害を与える意図があるかどうか(主観)だけでなく、権利者の利益と他人の損害とを比較衡量して判断されます。

 

物権と債権

民法典では、財産権を物権と債権に区別しています。

物権とは、物に対する直接支配権をいいます。

ちなみに物は法律用語では「ぶつ」と呼ぶので読み方に注意してください。

債権とは、特定人に対する行為請求権をいいます。

 

 

例えば、売主Aと買主Bの売買契約で考えてみましょう。

売主Aが自己の土地を買ってくださいという申し込みをし、買主Bがこれを承諾します。

 

 

売買

 

 

物権

この事案の場合、所有権(土地の使用・収益・処分をすることができる権利)が売主Aから買主Bに移転します。

この「所有権」は物権となります。

 

債権

売主Aの買主Bに対して土地の代金を請求することができる権利債権者はA

買主Bの売主Aに対して土地の引き渡しを請求することができる権利 債権者はB

 

これに対して

 

売主Aの買主Bに対して土地を引き渡さなければならない義務債務者はA

買主Bの売主Aに対して代金を支払わなければならない義務 債務者はB

 

売主Aも買主Bもそれぞれ債権者であり債務者であるということになります。

文章でみると複雑に感じるかもしれませんが、普段の日常生活で何かを購入する場合に置き換えてみると理解しやすいと思います。

 

家電量販店で新しく洗濯機を買い換える場合では

買主は代金を支払う義務と、洗濯機の引き渡しを請求する権利があり

売主の家電量販店側は、洗濯機を引き渡す義務と代金を請求する権利があります。

 

このように売買契約は日頃から行っていることなので、自己に置き換えて考えてみるとわかりやすいです。

 

WORD CHECK!

不動産
土地及び土地に定着しているもの(建物等)
 
動産
不動産以外のもの

 
問題の中では時計や絵、建物などわかりやすく表示してあることもあれば、不動産・動産と表される場合も多いです。
自分のわかりやすい売買契約の例えを作っておくのもいいと思います。